コラムCOLIMN
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BGMでの快適なオフィス環境作り
企業にとって永遠の課題である生産性の向上は、社員のモチベーションの高低によって決まるといわれています。
そのため、多くの企業が社員のモチベーションアップのための施策に取り組んでいますが、中でも有用性の高い方法として注目されているのがオフィス空間の改善です。
最初にオフィスレイアウトの改善がもたらす効果に着目し、斬新なアイデアを導入し始めたのは大企業からですが、今では中小企業も会社ごとの工夫をこらし、社員のモチベーションが上がるオフィス作りを追求しています。
社員のモチベーションと仕事の生産性に関連性がある事は研究結果によって立証されています。
158の企業に勤める社員に対して、会社に求めるもの、上司・職場に求めるものなどの項目によって構成されたモチベーション調査を実施したところ、モチベーション偏差値が高いほど会社の利益や伸長率も高くなるという結果が出たそうです。
モチベーション偏差値は数値によって11段階に分けられた後、さらに5つに区分されましたが、偏差値が最も低いグループと最も高いグループとでは利益伸長率に664.2%もの差が出ており、社員のモチベーションの高さが会社の生産性に多大な影響を及ぼしている事がわかります。[注1]
・日本のオフィス環境に対する満足度は極めて低く改善が必要不可欠
一方、社員のモチベーションとオフィス環境に関連性がある事も、一般社団法人 日本オフィス家具協会が実施したインターネット調査によって確認されています。
首都圏にある事業所に勤務する労働者に対し、オフィス環境が仕事の成果や仕事に対するモチベーション向上に影響を与えるかどうかという問いに対し、「影響する」と回答したのは全体の71.4%にも及んだのだそうです。
しかし、現在のオフィス家具およびオフィス内装に対して満足しているかどうかについては、「あまり思わない/そう思わない」と回答した人が5割を超えています。[注2]
オフィスの理想と現実に大きな乖離がある事は明白で、早急なオフィス環境の改善が求められています。
[注1] モチベーションエンジニアリング研究所: データから明らかになった「エンゲージメント」という新たな経営指標
https://www.motivation-cloud.com/hr2048/493/
[注2] 『オフィスワーカーから見た、オフィス環境ニーズのトレンド』を探るための調査の実施と、分析結果を踏まえた提言・提案
http://www.joifa.or.jp/pdf/common_summarydata.pdf
オフィスにBGMという発想を。オフィスにBGMを流すだけでポジティブな効果がたくさん!
オフィスには「オフィス専用」のBGM、ぜひ試してみませんか?
先ほど紹介した一般社団法人 日本オフィス家具協会が実施したインターネット調査によると、労働者は集中して仕事ができる環境や心身をリフレッシュさせる場所を求める傾向にあるそうです。
この結果を踏まえ、社員のモチベーションをアップさせるオフィス空間デザインを4つ紹介します。
・1.パーティションで個々のスペースを確保する
日本のオフィスは社員同士が向かい合うようにデスクを並べ、1つのグループを形成する「島型」と呼ばれるスタイルが主流です。
同じ島にいる人達とコミュニケーションが取りやすいのはメリットですが、一方で正面や隣同士の人の視線や音が気になり、仕事に集中できないという不満の声も多く上がっています。
そんな不満を解消するのがオフィス用のパーティションです。
デスクとデスクの間にパーティションを設置すれば簡単に個々のスペースを確保する事ができ、自分の仕事に集中しやすい環境を作り出せます。
パーティションは天井まで届く背の高いハイパーティションもありますが、施工に時間と費用がかかりますので、すでにあるオフィスの改善には背の低いローパーティションを利用するのがおすすめです。
ハイパーティションに比べると防音性はやや劣りますが、自立型なので簡単に設置・移動でき、自由に空間をデザインする事が可能です。
色や形、素材などのバリエーションも豊富なので、オフィスの雰囲気やイメージに合わせて選べば視覚効果も高まって一石二鳥です。
・2.オフィスの緑化で社員のやる気アップ!
オフィス空間デザインの内、最も簡単に実現できるのがオフィスの緑化です。
緑化とはある場所に草や木などを取り入れる事で、オフィス環境を改善する目的で採用されます。
大企業になるとオフィスの緑化も徹底しており、フロアの真ん中に森を模したオブジェを作ってみたり、壁一面に緑を飾ってみたりと大胆なアイデアを取り入れていますが、手頃な観葉植物を飾るだけでも十分な効果を見込めます。
実際、社員のデスクに小型の観葉植物を設置した実験では、設置前よりも仕事への集中力、意欲、はかどり、職場での会話などの項目が有意に向上した結果、職場環境への満足度もアップしたそうです。
一方で、緊張・不安や抑うつ、怒り、疲労、混乱といったネガティブな項目は著しく低下しており、観葉植物が社員のモチベーションを高めつつ、心身への負荷を軽減していることがわかります。[注3]
オフィスの緑化は必ずしも大規模な物である必要はありませんので、中小企業も無理なく導入できる手頃なオフィス空間デザインの1つといえるでしょう。
また、観葉植物は眼精疲労の軽減にも効果が期待できるため、ディスプレイを長時間眺めて蓄積した疲労解消にも役立ちます。
・3. 動線を確保してストレスフリーなコミュニケーションを
動線を確保することも、社員のモチベーションを高めるオフィス空間デザインには欠かせません。
現代では、メールだけでなくチャットといったようにコミュニケーションツールを活用する企業が増えており、社内でもそのような方法で連絡を取るケースがあります。
ですが、具体的な業務の進め方は、顔と顔を突き合わせたコミュニケーションの方が細部まで状況が伝わります。
このような場合に、部署間・従業員間の動線が確保されていないと、移動を億劫に感じ、積極的な意見交換が行なわれず、業務に対するモチベーションや業務効率の低下を招きます。
このような状態に陥らないためにも、シンプルなデスク配置や無駄な荷物などを取り除き、部署間・従業員間の動線を確保しましょう。
・4.オフィスBGMの導入でモチベーションや集中力、リラックス効果を高める
従来のオフィスは無音が一般的でしたが、音楽のもたらすリラックス効果は仕事にも役立つという考えから、最近ではオフィス内にBGMを流す会社が増えてきています。
社員のモチベーションアップもさることながら、オフィス内でBGMを流すと集中力アップやリラックスにも役立つためです。
あるオフィス家具メーカーの社員を対象にモチベーションに関するアンケート調査を実施したところ、BGMは「モチベーション」「集中」「リラックス」「リフレッシュ」「気分転換」の5項目において好意的に受け取られているという結果が報告されています。[注4]
心地よい音楽が精神面によい影響を与えるのはもちろんですが、BGMが流れている環境下ではほかの雑音が耳に入りにくくなるため、集中力の向上やモチベーションアップにつながっているようです。
また、時間帯によってBGMを変化させれば、メリハリのあるオフィス環境を作り出すこともできます。
たとえば昼休みはよりリラックスできる音楽を選択する、ノー残業デーでは帰宅を促す楽曲を流すなど、シーンに合わせてBGMを変更すれば、社員の頭のスイッチも簡単に切り替えられます。
その場合は、タイマー機能付きのチューナーやプログラム設定可能なBGMサービスを選ぶようにしましょう。
合わせて、BGMのバリエーションが豊富なサービスを選択すれば、毎日異なる音楽を掛けてマンネリを防ぐなど、より社員のモチベーションを高める工夫を施すことができます。
[注3] オフィス緑化が勤務者に与える心理的効果に関する研究
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsrt/42/1/42_56/_pdf/-char/ja
[注4] オフィス環境が執務者のモチベーションに及ぼす影響に関する研究: -環境の総合満足度やリフレッシュ等の評価項目との比較による検討-
https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/79/695/79_19/_pdf/-char/ja
かつての日本では、オフィスには仕事に必要な最低限の設備さえ揃っていればよいという風潮が定着していました。
しかし、少子高齢化によって生産年齢人口が右肩下がりになっている今、社員一人あたりの生産能力を上げることが目下の最優先課題です。
どこも人材不足に悩まされている今、社員のモチベーションを上げるのは容易なことではありませんが、長時間過ごすオフィス空間を快適な物に変化させれば、徐々に士気が高まってきます。
今回紹介したオフィスの緑化やパーティションの活用、BGMなどは比較的簡単に導入できる物なので、社員のモチベーションアップに悩んでいるのなら積極的に検討してみることをおすすめします。
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